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『くもをさがす』西加奈子

西さんの乳がん闘病記。
西さんの人柄がわかるとてもいい本だったし、自分は西さんのようにはなれないが、自分と大事な人を大切にしようと思った。

とても大事だと思って西さんも強調しているであろう箇所を引用する。

さて、今、平坦な私の胸は、これ以上ないほどクールだ。そして、平坦な胸をしていても、もちろん乳首がなくても、私は依然女性だ。
(中略)乳房、卵巣、子宮、という、生物学的には女性の特徴である臓器を失ったとしても(ちなみに今私は坊主頭だが)、それでも私は女性だ。それはどうしてか。私が、そう思うからだ。私が、私自身のことを女性だと、そう思うからだ。
 身体的な特徴で、自分のジェンダーや、自分が何者であるかを他者に決められる謂れはない。自分が自分のことを女性だと思ったら女性だし、男性だと思ったら男性だし、女性でも男性でもどちらでもないと思ったら、女性でも男性でもない。私は私だ。「見え」は関係がない。自分が、自分自身がどう思うかが大切なのだ。
 私は、私だ。私は女性で、そして最高だ。
(『くもをさがす』西加奈子p192)

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